夏セミンゴ2018

「このグループに関して」 元は夏セミ2016の中級クラスの部屋です。 ここはディベートに関する資料を適当に貼っていくところです。 ここに書いてあるものは誰でも編集できるので、好きにコピペするなりして使ってください。また、誰でもまだ入ってない人を招待できるので、自大とかで資料見たいって人がいたら好きに招待してあげてください。使えそうだと思ったら、後輩にばらまいてもらっても大丈夫です。 何か質問とか要望があれば、コメントしてちょ。何でも答えるよ!多分!

Chapter.5 Politics - ケース例 "THW use the weapon"

THW use the weapon(JPDU Autumn tournament 2017 GF)
info slide:You are a commander and losing at war. In your possession is a weapon that ends the war in a victory. The cost of using this is the life of every soldier in the battlefield, including your own. You have no time to command them to evacuate.

 

今回のディベートはかなり「想定に基づいた」解説を書きます。
っていうのは、このモーションが想定している状況が全く分からないので、多少なりとも仮定を置かざるを得ないからです。実際には非現実的では?contextがoutdatedでは?と思う部分も個人的にはありますが、それはまた別のページで解説しようと思います。

 

はい、えー、とりあえずargumentからすぐに入ると「このケースどうすんの?」とか「それexclusiveなの?」といろいろごちゃるので、良い悪いは置いといてS.Q.とA.P.がそれぞれどうなるかから考えましょう。

 

S.Q.「戦争に負けている。このまま行くとまずい、、、」
A.P.「兵士は全部死ぬ。自分も死ぬ。しかし戦争には確実にこの時点で勝つ。確定。」

 

で(evacuateできないって状況あり得るのか、、、?まぁいいや笑それないとmotion成り立たんもんな)、この比較をして行くのが大事なんですが厄介なのはS.Qですね。っていうのは「負けている」っていうのはそのあとに複数のシナリオが存在するからです。ガバもおぽもその複数のS.Q.のシナリオとA.P.のシナリオを比較せんと行けません。

 

ちなみに、OGないしはGovはdefinitionで不明確なところを説明する義務を負いますが、一番不明確なのは、このinfo slideの"losing at war"の部分でしょう。

実際には負けているといっても

(1)最近負け始めた

(2)かなり押されていて、このままでは負け確

(3)他国の参戦等によって、状況が変わっている。んで、今たまたま負けている。

 

これはlosing at warの分析にもなります。
これを考えるとシナリオの候補は
(1)頑張って持ち直して勝つ
(2)そのままズルズルと負ける
(3)停戦協定、のちには平和協定を結んで、平和に終わる。

ですね。
まぁただ、何か現実のコンテクストに基づいてるわけじゃないので、どれがどれくらいlikelyかは分からないんですが、、、
おそらくだと
(1)まぁありえなくはない。でも可能性はちょっと低そう。
(2)一番あり得る。
(3片方が勝てそうなら、そっち側に停戦協定を結ぶincentiveはなさそうですよね。まぁこれに関しては後で書きますが、ありえなくはない。

ってことはまぁ大まかなコンパリは
「(2)そのままズルズルと負ける」とのコンパリになりそうですね。

で、これはGovのS.Q分析にもなっていきますが
「(2)そのままズルズルと負ける」ってのがどういう問題を起こすかを考えていきましょう。ディベートで大事なことの一つとして、「時間軸を長めに考える」ってのが挙げられます。
戦争中、戦争が終わった後、その後の社会への影響等ですね。

 

(1)戦争中
このままズルズル行くと結局お互いに戦地で死者が大量に出ます。特に戦争中でよく問題になる「一般市民の死(civilian casualty)」が大量に発生します。一般市民の殺人は色々な条約によって禁止されているのですが、ぶっちゃけ大量に発生します。どうしても爆弾で建物吹っ飛ばしたら人は死にます。

(2)敗北後
A国が戦争に敗北すると以下のことが起きます。
(1)多額の賠償金を支払う羽目になります。国民の生活を圧迫します。
(2)そのままB国(相手の国)に領土を取られるかもしれません。
(3)なんなら半植民地化されるかもしれません。そこではA国の市民は圧政を強いられるでしょう。辛み。。。
(4)B国はさらなる軍事侵攻をしてくるかもしれません。もうこちらに戦う手はないので、ひたすらに殺戮が発生します。

等々、まぁ悲惨ですね。やばいンゴがやばい。

 

で、これに対してAPは
とりあえず兵士は自分含め死にますが、戦争が終わります。このハームはconcedeせんといけんけど、その代わりに上記の(2)敗北後のハームを防ぐことができます。
で、このコンパリをjustifyするのがGovのお仕事になりますが
一個はまぁpraを押しても良いのかなと。
単純の数の比較になりますが、APで死ぬ兵士の人数とSQで死ぬ兵士と民間人の差はかなりあるでしょう。コマンダーとしては「できる限り少ない被害で戦争を勝利に導く」っていうのは原則として持って良さそうなので、これは一つ言えるかと。
もう一つは、兵士と一般市民の違いは言えるのかなと。
この両者の扱いは戦場において(定義上は)かなり大きく、特にAPでは多くの一般市民の命を救えるので、市民vs兵士のpriorityの話は入ってきます。
ここでのGovのargumentとしては
「兵士は自国の勝利のために命を犠牲にすることを厭わないっていう同意のもと、戦争に参加しています。
例としては、どんなに危険な任務であっても、コマンダーの命令のもと、兵士はその任務を全うする義務を背負っています。
今回のweapon usageは負けている中で(ほぼ)唯一自国を勝利に導ける戦術であり、コマンダーが兵士の命を犠牲にして自国をもたらす術があるのであれば、それを使用すべき。兵士も、その戦術の結果命を犠牲にすることは義務の範囲内である」と言えます。

Opp

 

うーん、ヤベェ、なんも思いつかん、、、

と思うけど、まぁ言うとしたら、「今後勝ちうる可能性もあるのに、今兵士を皆殺しにする必要はあるのか?」っていう路線で戦うのかなと。

 

上にも書きましたが、ここではGov/Oppともにprincipleちっくな話で「commanderって、何を目的とすべきなの?」って話は入ってくると思います。

その際に、国からすれば散々金をつぎ込んできた兵士が全員死ぬのは良くないし、社会的に見ても可能なら死んでほしくないっていう思いもあるので、勝ちの可能性が他に残されているなら、そっちの方が戦争に勝ちつつ被害者が少ないのではないか?っていう路線ですね。

まぁ~、例えば「敵国の暗号解読に成功して、戦いが有利になる」とか、「友好国が今後戦争に参加してくれて、有利になる(WW2のときのアメリカ的な国の参戦)」とか、全部想定ですが。

 

 

ただこれを言うにしても、結構難しいのが、だらだら戦争をし続けたら、勝ったとしても本当に兵士の犠牲少ないの?って話です。当然民間人は多く死にますし、それに兵士が当然全員battle fieldにいるわけでもありません。

一部は戦争にまだ出兵しておらず待機してるわけで、そいつらも戦争が続けばセンチに駆り出されて、結構死にます。人数のcompariとか、勝てるんかな。。。

 

という、正直Oppの勝ち筋は分かりません笑

ACに聞いてください。

 

あぁタバコが美味ぇ

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以下は、上記のモーションとは直接関係ないですが、戦争一般的なものについての捕捉です。

 

①近年の戦争事情について

ここでは、上で「想定に基づいて書きます」とかいう意味不明なことを書いた理由を書きます。このGFのモーションでは、いわゆる国家vs国家戦争が想定して書かれていると思います。

昔の日本vsアメリカ、みたいな感じです。

 

で、これに関しては第一次大戦と第二次大戦がまぁ大きなものがあげられるでしょう。しかし、これに関してすら国家vs国家というよりは、連合国vs連合国が正しいですね。
(1)では賠償金の話を書きましたが、実際に第二次世界大戦では日本に対する賠償権を多くの国が破棄しています。理由としては(これはあくまで一説ですが)、第一次世界大戦の時に賠償金をドイツに課し過ぎたせいでナチズムが生まれたという発想からきているそうです。まぁそれでも日本は結構な額を払いましたが。

 

で、現代ではいわゆる「国家vs国家」的な戦争は発生していません。
どちらかというと「国内紛争」「西洋諸国vsゲリラないしは独裁政権」のが圧倒的に多いです。

大体の流れとしては
(a)2005年くらいまで
どっかの国で独裁政権がやばい、ないしはゲリラがやばい→いわゆる西洋諸国(アメリカ、ドイツ、イギリス等)が国連の安全保障理事会で「人道的介入を行おう!」と叫ぶ→中国とロシアが駄々をこねてそれっぽいことを言って拒否る→アメリカが安保理決議を無視って介入を始める

 

上記の「国連安保理で、独裁国に対して人道的介入を唱えても、同じく独裁国家でほかの独裁国家を擁護する中・ソに全部vetoされるから人道的介入ができない!」ってのはずっと続いている問題で、昔モーションでよく出ました。

 

THBT international law should recognize the right of each state to unilaterally undertake humanitarian intervention(NEAO 2011 GF)

 

TH supports intervention by a coalition of willing nations in Syria without a United Nations mandate.(ICU Tournament 2012 R6)

 

(b)それ以降
アメリカの独自路線が結構叩かれて、鳴りを潜める。
どっかの国で独裁政権がやばい、ないしはゲリラがやばい→いわゆる西洋諸国(アメリカ、ドイツ、イギリス等)が国連の安全保障理事会で「人道的介入を行おう!」と叫ぶ→中国とロシアが駄々をこねてそれっぽいことを言って拒否る→どうしよう、うーって困ってほとんど何もしないでどんどん戦況が悪化していく。一番わかりやすい例がシリアですね。

 

例を挙げると
湾岸戦争(国際連合軍vsフセイン)
イラク戦争(国際連合軍vsフセイン)
アフガニスタン戦争(国際連合軍vsタリバン)
リビア内戦(国際連合軍とジモッティーvsカダフィー)
シリア内戦(国連軍と武装組織たくさんとアサド政権、IS)

などがあげられます。

 

で、これらの戦争の特徴として、アメリカがあまりに強すぎることがあげられます。
「losing at war」とありますが、ぶっちゃけアメリカに勝てる国はありません。まぁアメリカ以外が全て手を組んだら話は別ですが、基本的にアメリカを含む西洋諸国が本気を出したら、一国内のゲリラ組織(IS、タリバンアルカイダ)は絶対に勝てません。それくらい軍事力に差があります。
(じゃあなんでそのあともごたごた問題が続いてるの!ってのはありますが、それは軍事力よりも統治力、及びその統治方法に問題があります。)

 

なので、このmotionのlosing at warっていうのは、そしてボタンを押すのは
(1)カダフィフセインの独裁者、ないしはISやアルカイダ
武装組織。
(2)タリバンと戦い続けるアフガニスタン国家。
のどっちかになります。

まぁこのモーションはあくまでその組織の一員であるコマンダーの行動なので、所属する組織がどれだけ非道であってもその組織の勝利は正しいことでしょう。

 

ただ(2)に関してはOppは「いや、「アメリカに負けそうだからもっと軍事支援ください本当にやばい!」って言えば助けてくれんじゃねえの?西洋的にも原理主義組織が勝つのは望ましくないし。そしたらボタン押さんほうが良いぞ。」って言えそうですね。

http://www.bbc.com/japanese/39586021

 

まぁ結局大したオポのマター思いつかんですいません^^;

最近は(大して新しい戦争もないし)戦争に関するモーションはあんまし出ませんが、戦争に関するモーションは相当な量の知識が必要になります。
もし興味がある人は、以下の単語を調べてみてください。

 

国連安全保障理事会(UNSC)
ロシアと中国がよく拒否権を発動するやつです。

 

イラク戦争(2003)
リビア戦争(2011)
シリア戦争(2011)

ジュネーブ条約による非戦闘員の保護
オタワ条約による地雷の禁止
http://www.aarjapan.gr.jp/acti…/landmine/landmine_info1.html
戦争犯罪

ジェノサイド

クラスター爆弾

経済制裁
スマートサンクション(南アフリカ)

戦争に関する書籍は色々ありますが

個人的にオススメの著者は

 

(1)池上彰
(2)伊勢崎賢治
(本当の戦争の話をしよう、国際貢献の嘘)
(3)藤原帰一
(国際政治、デモクラシーの帝国)

 

とかかな。

じゃあの。