Chapter.0 その他 - Judgeを最近始めたあなたへ
お久しぶりです。
こないだ久々にレクチャーをする機会があったので、ここにも書いておきます。
聞いた人は、同じことが書いてあるので読む必要はないです。
久々にBPの大会に出ました。リハビリが足りずブレイク落ちしました。はげ~~~!
でも、ディベートは楽しいですね!特にBPはあのダイナミクスと緊張感がたまらん。仕事の1億倍頭使った。
全然関係ないですが、最近友達に教えてもらった「ODD TAXI」なるアニメがとても面白いです。ビースターズみたいに動物が人間となっていて、冴えないタクシードライバーのおっさん(セイウチ)が主人公なんですが、絵柄に似合わずがっつりミステリーです。是非お勧めです。netflixはないですが、amazon primeにあります。
TVアニメ「オッドタクシー」公式サイト 2021年4月からテレビ東京・AT-Xにて放送開始
今回のレクチャー内容は、ジャッジを最近始めた人のためのレクチャーです。
1年生後半から、2年生前半くらいまでの人をイメージしています。
ルール自体は知っている前提で、こういうことを意識すると、最初の状態から、上達しやすいかなと。
1.うまいジャッジとは。
2.Argumentのevaluation(評価)。
3.Oral Adjudication。
1.うまいジャッジとは。
ジャッジの能力向上は、みんなしたいと思いますが、そのためには「自分が考える」「うまいジャッジとは何か?」を考える必要があります。何が上手いかを分からなければ、目指す方向が分かりません。
上手いディベーターは何か?はみんな一度は考えたことあるかと思いますが、ジャッジは意外にないのではないでしょうか。
とりあえず、無駄に空白を空けるので、1分くらい適当に考えてみてください。
はい、上にも書いたように、正解はなく、「自分の考える」イメージ、像が必要です。
よくある答えとしては、「clushをきちんと作れる。」「勝ち負けの判断軸が明確」「説明が分かりやすい」等が挙げられると思います(当日もこのような意見いただきました)。
これらは正しいと思いますが、あくまで1要素だと考えます。今回は極端な回答を言いますが、考えている「うまいジャッジ」とは、
「大会の予選ですべて10をもらう人」
だと考えています。
ディベートにおいて、点数が付くのは大会しかないので、最も分かりやすい指標を使います。んで、これまた極端なことを言いますが、10を取るためにdecsionが「正しくある必要」はありません。ぶっちゃけ順位が間違っていたとしても、みんなが納得してくれて、10をくれたら、あなたがベストジャッジです。
逆に、どれだけ素晴らしいoral adjudicationだったとしても、4位にされてふてくされたチームが7とか付けたら、ベストジャッジにはなれないのです。4位のチームから10点をもらえたら、十分立派なジャッジでしょう。
このレクチャーはあなたを10にするレクチャーではないです。多分2-3を、4-5くらいに上げる手助けのレクチャーです。
でも、努力するうえで最も分かりやすい指標なので、上は考え方の1つとして覚えておいてください。
2.Argumentの評価。
10に近づくための第一歩は、ディベーターが言ったことを正しく理解することです。
ここで思い返してほしいんですが、特に学年が若いうち、Oral adjdicationでこの単語を言った/言われたことがあるかと思います。
「分からなかった」
おそらく理由は2つあります。
1つ目はディベーターのスピーチが内容/ストラクチャーともにクソ過ぎて、伝わらない場合。これはしょうがないので、「お前の話はクソ」とはっきり言いましょう。ただし言い方を気を付けないと、スコアが下がるので、rhetricalに、相手に最大限の配慮と愛情を持ったうえで「Your argument is unfortunately ゴミです」と言いましょう。
2つ目は自分が理解できなかった場合。
この2つ目をなくすのが、最初の目標です。言い換えると、ジャッジは基本「分からなかった」と言ってはいけないのです。これを言語化するのが大事です。
んで、分かるようになる方法の1つとして、その話を自分の知っているフレームワークに当てはめてみましょう。みんな大好きSQ、AP、Impactです。その中にAREAがあります。Argumentによっては、characterizationだけしているという可能性もあるでしょう。
ディベーターが話した内容に対して、「これはSQのmechanismの話?Impactの話?」と頭の中で振り分けていけば、そのargumentの中身が分かりやすくなりますし、評価もしやすくなります。まぁ、ようは、知ってるフレームワークに当てはめて、整理しましょうって話です。
また、これをやることで、足りなかったものにも気づくことができます。SQ、APを重要視するのはディベーターだけではなく、ジャッジもこの軸で判断できるからです。話を整理していけば「実はAPのlogicがあまりないな、あるいはharmがあまり説明されてないな」とevaluateすることができます。何が話されたか、だけではなく、何が話されなかったかも重要です。
argumentを取るかどうかには、POI/refuteも当然重要な要素になります。ただ、それらはそもそもの立論の評価をジャッジ自身が行ったうえで、追加で加味するものなので、この順番は意識しましょう。
また、もう一つ大事なのは、Relevancyの観点です。話している内容を評価したうえで、それがモーションの肯定/否定にどうつながっているのか?かっこいい話してるけど、実はモーションにあまり関係ない?これを判断するのも大事です。
特にこれはBPに重要だと思います。
BPは色々話が出る代わりに、プレパもスピーチも時間が足りないので、ディベーターが自分たちのケースのrelevancyを示すのに時間が取れなかったりします。
実は関係ないのに取ってしまうと、質問で「Govの○○の話取ったって言ってましたけど、モーションに関係なくないですか?」と言われてしまったりするので、そこはきちんと考えましょう!argumentがモーションの肯定/否定にそもそも繋がっているか?これを判断するのはジャッジの大事な仕事であり、介入ではないです。相手がrefuteしていなかったとしても、ダメなargumentはダメです。
3.Oral Adjudicationのやり方。
正味Rhetricや経験が大事な部分もありますが、簡単にできる部分としては、
「みんなが知っているフレームワークで丁寧に話すこと」です。上に書いたSQ、AP、Impactです。「OGはこのポイントで、SQのProblemを描いていました。APでは解決されると言っていましたが、logicがなく、Impactも不明で、解決されることはほぼないと判断しました。」と言われたら、いつも使っているフレームワークなので、ディベーターの頭にもすっと入ってきます。
また、もう1つ重要なのは、誰が何を言ったかをできる限り具体的に話すことです。
よくあるのが「OGのProblemは、Logicがあまりなかった。それに対してOOの話はlogicも明確で、childrenがsufferするというharmも明確でした」的な説明があると思うのですが、これだとOGはあなたに点数をくれません。ジャッジがちゃんと話を理解しているか?が分からないからです。
これを防ぐためには、例として「OGは○○のproblemをあげていました。ロジックとしては○○と○○(それぞれ具体的に言及)がありましたが、2つ目のロジックはそれがproblemのlogicになる理由が分からず、結果として一つ目のlogicを取りました。それに対し~」となると、OGは「このジャッジはきちんと理解してくれて、話をちゃんと取ってくれた。けど、足りない部分があって負けてしまった」と考えてくれやすくなります。より点数をくれます。
個別具体的に言及すること、どこまで取ってどこから取ってないかを明確にすることで、よりよい説明になります。
説明自体はここまでですが、あとは多少使えそうなtipsを書いていこうと思います。
①ノートの取り方。
これは人によって異なるので、また正解はないですが、重要なのは
「ルールを決めておくこと」だと思います。より早く評価するため、間違えないためです。
自分の例を挙げると、紙の左側がGovで赤色、右側がOppで青色、自分のコメントは緑色でした。以下にもそれぞれルールを書いておきます。
もう1つ便利なのが、abbreviationです(使い方が違う気がする)。
まぁようは文章全部書くと長いので、短く書こうということです。
例としては、ParentsはPを〇で囲う。Childrenは©。becauseはb/c、等が有名ですかね。そのラウンドでよく出てくる単語を省略すると便利だと思います。
こないだ先輩から聞きましたが、単語の最初の文字と最後の文字を書くと、2文字でも何かが分かるようです。アメリカの大学生がよく使うテクニックらしいので、ぜひ使ってみてください。
あと俺は、誰かがrefuteするときは最初にⓇと書いてから反論を書いてました。立論と反論が区別しやすくなります。
もう1つは、書いた内容の整理を横に書くことですね。上に、自分のコメントを緑で書くと言いましたが、例えばディベーターのpointのストラクチャーが良くないとき、自分は「これはlogicだな、これがimpactだな」と思ったら、横にLogとか、Impと書いていました。後で分かりやすくするためです。
上は特にBPで便利だと思います。大量に話されて、ストラクチャーは汚くなりがちで、decisionからscoringまで15分しかないです。全部の単語を書いていたら追いつかないので、とにかく早く理解して、評価するのに役立つかなと思います。
②直接Clushしていないときの比較。
難しいですが、debateは雑に言えば「principleとpractical」が一番大きなclushになります。やんわりと「明確なclushがなかったので、今回はpracticalのargumentを比べました。OGのfetusがかわいそうという話と、OOの母親がかわいそうという話です。」と言いましょう。ディベーターに責任を押し付けましょう。
このときに、上のevaluationが役に立ちます。それぞれのargumentがどれだけ立っているか、qualityが分かるからです。
③Short/Long/Diagonalの比較。
正味ディベートによりけりなのですが、大きな考え方はNAと一緒だというのは忘れないでください。ラウンドが終わった段階の、最終的に残ったargumentで、例えばOG/COの比較となったときに、それぞれのargumentをどう評価したか、どちらがよりモーションの肯定/否定に繋がったかをclush baseで比較してください(refuteとPOIも忘れずに)。結局使う評価軸は、argumentのevaluationと、relevancyです。
BP特有の考え方はもちろんありますが、ベースは全スタイル一緒って頭に入れておくと、大分シンプルに見れるのではないかと思います。
④OG/OOの比較
これはやり方というより、タイミングの話です。自分も先輩から教わりましたが、良いと思いました。
まぁようは、OG/OOの優劣は、DLOが終わった時点で出しておきましょうというものです。当然後で考える中で、またはdiscussionの中で変わったりもしますが、この時点で決めておくと非常に楽です。
やっぱりClosingの評価の方が難しいので、NAとほぼ同じ状態のOG/OOを先に出しておくと、あとで全体の順位を決める時にはるかに早く決められます。BPはジャッジに使える時間が、コンテンツ量に対してかなり多いので、、、
これは意識して練習しておくと、とても便利なのでやってみてください。
⑤Panelのやり方。
多分これを読む人はまだあまりBPのchairにはならないと思うので、Panelについて書きます。大会でchairにアロケされたら、近くの先輩に15分で教えてもらってください。
以下の内容は半分くらいネタです。
ラウンドが終わって、3分くらいしたらチェアーが「どんな感じですか?」と聞いてきます。そのときにPanelで何よりも一番大事なのは「はい、いけます!」とドヤ顔することです。理由は、panelが2人以上いたときに、一番最初にRFDを話したいからです。
chairは準備ができてそうな方から大体話を回します。
2番目に話す人は、結構1番目の人と内容が被ってしまうことも多いと思います。すると、1番目に出た話はそこまで評価されないので、違うことを言う必要があります。BPのextentionみたいなものです。
なので、1番目に話せたら、まぁ自分の実力通りにRFDを述べることができるのですが、2番目に話すことになったら、以下のことをお勧めします。
1番目の人と完全に被っていけないわけではないので、「このclushで、こういう取り方でOGがCOより上というのは自分も同意です」と簡潔に述べたうえで、前の人がまだ話していないことを頑張って話しましょう。
ここで1個使えるのが、上の2.に書いた「ディベーターが何を言ったかだけではなく、何を言わなかったかも見ましょう。」って奴です。
大体は、何が話されたかをRFDに入れるのですが、言われなかったことは言及が薄くなりがちなので、そこで
「COの話は、実は分解してみるとA.Pのmechanismがassertiveでlogicがあまりなく、そこはOGに比べると劣る」とか
「Opp Bench全体で、モーションの単語であるteacherの分析があまりなく、generalなものになっている。それを踏まえると、CGはそういうpackageはしていないものの、よりteacherについて分析をしている点は考慮すべき」とか、まぁ適当に言えます。
なので、取り敢えずドヤ顔して最初に喋りましょう。
しくったら、頑張って考えてみてください。
あー良く書いた!それでは。