Chapter.5 Politics - 概論(1)
次は政治書きます〜
政治は色々書くことがあるので、その中でも、政治の中心である民主主義について書くわ。んで、その次に色々な政治形態について書こうかなと思います。
(1)民主主義とはどういうシステム?なぜ採用するの?
政治とは基本的に、「ルールを決めて、そのルールを守り合って生きる」統治システムのことです。対象はルール、つまり法律によって違えど、誰しもがルールを守る必要があります。ここで大事なのは、「そのルールを誰が決めるの?」ってことです。
独裁制は一人、ないしはとある家族がルールを決めることができます。貴族制は貴族がルールを決めます。民主主義は市民みんながルールを決めることができます。
様々なルールの決めかたがありますが、基本的には「ルールを作る人は、自分の都合の良いようにルールを作ります。」王族が自分の都合の良いようにルールを決めて、国民を虐げる・・・なんてのをずっとやっていて、国民がキレて、自分たちの人生は自分で決めるべきだ!と言い始めました。王族や貴族が自分たちに都合の良いように法律を作ったら自分たちは虐げられたままだ。自分たちを守る、自分たち市民に利益のある法律を作ろう!ということです。自己統治的(Self-Governance)な発想ですね。これはFreedom of Choiceととても近いものがあります。自分の選好、意思を持って自分の生活を決めることですね。
基本的には、全ての国民の声を平等に聞きたいので、一人一票が原則です。Equalityの概念が強く反映されています。とは言え、100人いて違うことを言ってもルールが決まりません。しょうがないので、「多数決(Majority)」で決めることにしました。全員の意見は当然反映されませんが、この方法が一番多くの意見を反映することができます(Reflect citizen's will/voice)。
また、Freedom of Expressionでも書いたように、ルールを決めるにはDiscourseが必要です。色々な意見をお互いに交わして、その中で最も良いものを選び、時には合体させ、妥協し、できる限り多くの意見を集約することができます。
この中では自分の意見が通らない人も当然いるでしょう。しかし、少なくとも王族が国民に重税を課して自分だけが豪遊しているよりは、市民が一般の市民のために法律を作った方がpractically beneficialですよね。
これはベンサムの「最大多数の最大幸福」にも繋がるでしょう。できる限り多くの人にできる限り大きなbenefitをもたらすためのツールです。Democracyとは、国民にとって一番幸せなシステムなのです。
いや知りませんよ?でもそう信じられているから多くの国で採用されています。
(2)民主主義の種類
民主主義には
(a)代議制民主主義(Representative Democracy)
(b)直接民主主義(Direct Democracy)
の2つがあります。
基本的には国民が全ての政策について自分たちで決められると良いのですが、仕事があってそんな暇もないし、一部の人々は教養がないから、政策の話し方も分かりません。それで、優秀な人々を選んで、代わりに政治をやってもらうことにしました。政治家です。彼らは多数決によって選ばれたら投票してくれた人々の意見を反映させるために、政治家同士で政策を決めます。
これが代議制民主主義です。原則として、政治家はマニフェストを掲げて市民に選ばれた以上、市民に縛られるのです。
それに対して、政治家では完全に意見を反映してくれないと、自分たちで決めるべきという時に直接民主主義が現れます。
これは全ての政治を直接民主主義に基づいてやるというよりは、一部の本当に重要な政策を国民投票で決めようという使い方が多いですね。
有名な例だと、スウェーデンがユーロの導入の際に国民投票を行って否決したことや
、イギリスがEUからの脱退を国民投票で決めたことですね(Vote leave)。
参考Motion:
THW require international development aid budgets to be approved by popular referenda
(Ryoso Cup 2014 GF)
(3)民主主義のデメリット
民主主義を表現した有名なフレーズとして、Winston Churchillの"Democracy is the worst form of government, except for all the others"というものがあります(これ調べたら、引用らしいですね。)「民主主義は他の政治形態を除けば、最悪の政治形態である」というフレーズです。
民主主義は他よりはまだ良いが、、、ってのはまさにその通りで、民主主義にも多くの問題があります。有名なのは以下の問題でしょう。
(a)多数派の暴力(Tyranny of Majority)
民主主義ではルールを決める方法として多数決(majority vote)を用いているので、どうしても少数派の意見は通りません。MajorityとMinorityが毎回変わるならまだフェアですが、基本的には固定化されます。例えば、アメリカでキリスト教の住民が多い地域だったらabortionは禁止され続けるでしょうし、リベラルな女性の意見、あるいは人口が少ないイスラム教の人の意見は通りづらいです。There voice will never be heardという状態が生まれてしまいます。
ただし、民主主義では人権の保護があるので、例えば「市民の7割が同意しているから、イスラム教の人の人権廃止!」とはならないでしょう。その法律は最高裁判所に違憲判決出されます。最低限のprotectionは働いています。
(b)衆愚政治(Ochlocracy)
衆議政治とは、「愚かな国民によって政治が決められてしまい、誰も幸せにならない」と民主主義を表した言葉です。
少しあれな言い方をしますが、世の中にはぴやう〜な人が溢れています。中卒で政治経済のせの字も知らない人が、「こいつかっこええやろ!」って投票されても許される世の中です。ドナルドトランプのサポーターがマルコルビオに対して"Liar!"と叫び続けて議論もクソもあったもんじゃないってのは当たり前の話です。てゆーかトランプ選んだやつ誰だよ?まぁそんな感じで、自分たちの意思、民意すら分かってないのに民意の反映ができるのか?という問題です。
ただ、これは現在では1つの正当な投票方法です。Single issue voterと呼ばれる人々がいますが、敬虔なキリスト教信者で「abortionがbanされるのなら、他はどうでも良い」という人は一定数います。これはこれでlegitimateなchoiceでしょう。
参考Motion:
THW give more votes to citizens according to their performance on a current affairs test.(EUDC 2013 GF)
(c)投票率 (Voting Rate)
これは合理性を学び始めたディベーターの皆様なら気づいているかもしれませんが、投票に行くという行為は合理的ではありません。暇なおっさんのやることです。
なぜなら、自分一人の票は選挙結果を左右しないからです。言ってしまえば、政治や世界情勢について調べて、自分で判断をして貴重な祝日に投票に行くという行動は、一個人からすると非合理的なのです。
ただ、そこそこ暇なおっさんあるいは意識高い人、あるいは善い人は一定数いるので、投票率は50%くらいは行きます。僕も大好きなK党に投票しに行ってますよ!しかし、これで本当に民意を反映しているのか?という問題はあります。
すごい個人的なことを言いますが、よく衆議院選挙の時期とかになると「まじ投票しないやつ何なの?この国がどうなっても良いの?」とか言って周りを馬鹿にしてる意識高い人がたまに現れますが、血反吐が出そうです。ついでにうんこ漏れそうです。
こういうことを言う人はある程度勉強している人が多いので、ちょっと勉強すれば選挙に行くという行為が「個人にとって」メリットの少ない行為であることは気づくでしょう。
もちろん選挙に行くことを否定はしません。全体としては選挙システムは重要です。しかし、そこにこのシステムの溝があって、全体としては重要ですが、一個人がサボっても問題は発生しないのです。個人としてはメリットの少ない行為をしない人を見下すくらいなら、もうちょいポジティブにみんなが選挙に行く方法を考えたいですよね。頭いいんだからそれくらい考えてほしいわ。
これまたどうでもいいですが、オーストラリアでは選挙に行くと、その場所でBBQをやってて無料でご飯が食べれるらしいです。素晴らしいね!
まぁこれくらいにして、次回はモーションベースかテーマベースで、また政治について書きたいと思います。じゃあの。