夏セミンゴ2018

「このグループに関して」 元は夏セミ2016の中級クラスの部屋です。 ここはディベートに関する資料を適当に貼っていくところです。 ここに書いてあるものは誰でも編集できるので、好きにコピペするなりして使ってください。また、誰でもまだ入ってない人を招待できるので、自大とかで資料見たいって人がいたら好きに招待してあげてください。使えそうだと思ったら、後輩にばらまいてもらっても大丈夫です。 何か質問とか要望があれば、コメントしてちょ。何でも答えるよ!多分!

Chapter.1 Choice - ケース例 "THW eliminate Anti Homeless Architecture"

再度転送。

 

THW eliminate Anti Homeless Architecture(Japan BP 2016 R3)

 

今回はカテゴリ的にはchoiceにおいてますが、対象となるのはprivate choiceではなく、public sphereでのchoiceとなります。ちょっとdebateの枠組みが変わるので、それを意識しながらargumentを立てる必要があります。

 

とりあえずこのモーションのことについて話す前に、みなさんに考えて欲しいのが

あなたはホームレスがいていいと思いますか?いてはいけないと思いますか?
で、その理由は「一言」でいうとなんですか?

 

これを考えて欲しい理由は、多くの場合Govに立つにせよOppに立つにせよ、argumentの芯は一言で表せられるからです。一番強い理由が大体一個あって、その一個を守れるかが大事になります。なので、絶対refuteされても残る一個はこれ!ってのを考えるといいと思います。

 

で、このモーションはarchitectureをeliminateするというだけのactionですが、結局それをやる目的はホームレスをそこに居させるということになります。背後にあるのは

「ホームレスは橋の下にいても良い」

「ホームレスは橋の下にいてはいけない」

という、大きな対立があります。なのでこのモーションのコアは「ホームレスが公共の場にいても良いか?」ということになります。

するとホームレスというchoiceっていう枠組みが出てくるかと思います。これを大会で行った人もいるかと思います。で、これは完全に間違っているわけではないんですが、ホームレスをする場所というのが「公共の空間(public sphere)」であることに注意が必要です。

 

これがどう大事かというと、一旦ホームレスから離れてsexについて考えましょう。家でカップルがsexするのは完全に自由ですが、外でやると公衆猥褻罪で逮捕ですよね?これです。choiceはprivateで行うのとpublicで行うのはルールが違います。

なので、ホームレスのchoice!という枠組みで話してもargumentとしては成立するのですが、よりpublic spaceで行って良い行為かどうかという風にした方がMotionの本質に近いでしょう。

 

類似するモーションだと、

THW not restrict sexual expressions in public (e.g. public nudity, displayal of pornographic images)(Tokyo Mina 2017 GF)ってのがありますね。

またtobbacoに関するモーションでも、

 

THW ban tobbaco

っていうモーションと

THW ban tobbaco in public space

っていう2種類の、全く別のモーションが出来ます。これの違いが分かると、publicの概念がきちんと出来ているので、一回考えてみることをオススメします。

 

では、そのルールは具体的にどう違うのでしょう。
publicの簡単な定義を話すと「不特定多数の人がアクセスする/できる、自由な空間」ということになります。
基本的には好きなことをしてて良いですし、好きな行動ができた方が良い個人としても政府としても望ましいでしょう。しかし、あまりに度が過ぎると「すべての人がアクセスできる」というaccessibility/availablilityの条件を満たせなくなってしまいます。

 

他のchoiceに関するモーションなら、よく出てくるprincipleとして他人の権利侵害(harm to others)がcriterionになりますが、public spaceのchoiceは他者の「public spaceにaccessする権利」を侵害するかということになると思います。(ホームレスっていうchoiceはpublic spaceでしかできないので、そもそもchoiceの枠組みでいいんじゃないの?っていうのはあるんですが、まぁ個人的にはpublicであることは変わらないので、pubilcの話に寄せた方がいいと思う。)

で、Govのラインとしては「ホームレスがいても他人は道路を歩けるし公園で遊ぶこともできる。ホームレスというchoiceはpublic space内で適切なものだ!」ということになるでしょう。でまぁあとはホームレスでいることの重要性を語りましょう。

sign postっぽくするんなら

(1)Why it is legitimate to be a homeless in public sphere

または

(1)why existence of homeless does not undermine the accessibility of other citizen

(2)importance of being homeless


Oppのラインは「ホームレスがいることが他人がaccessできない、あるいはとてもしづらくなる!ホームレス禁止!」ということになります。

で、accessしづらくなることに関しては、大きな考え方は二つあると思います。
(1)物理的に不可能
(2)心理的に不可能
のどちらかですね。例を挙げると、無許可でコンサートをやって、公園を埋め尽くす!これはスペース上は入れなくなるのでダメでしょう。でもホームレスは一部だけにいるだけなので、どちらかっていうと今回は(2)でしょうね。例を挙げると、ギャングやチンピラ、DQNがずっとたむろしているとします。そのギャング達が何もしてないとしても、一般の人はとても怖くて公園には入れないでしょう。こういう感じです。

 

まぁ書いてる時点でイマイチ思いつかないんですけどね笑
思いつくのは

(1)襲われるかもしれない

(2)なんとなく怖い

(3)日本ではホームレス狩りが多発しているから危ない

(4)不衛生!とかですかね。

 

ただ、これらは結構refuteに耐えるものじゃない気がします。

襲われる可能性は他の一般人と比べて高くないでしょうし、なんとなく怖いって最早差別意識に近いですよね。黒人はなんか危ない。。。って偏見と同義でしょう。(3)に至っては狩る側の責任だし。

(4)はまぁ最悪ホームレスにuniquenessらしさがあるかもしれないんですよ。浴槽がなければ清潔にはなれないし。ただこれも「そこらにいる不清潔で風呂たまにしか入らない人と何が違うの?」って言われると、それで害があるってのは言えない気がします。まぁ僕は思いつかないんでリサーチするか、ACに聞いてみて!

 

まぁあと各々考えて欲しいのは、その他人が抱く恐怖が「正当な恐怖」かどうかです。これはdebateでよく使われる例なので知っておいて欲しいんですが、よく使われるPOIをあげると

 

キリスト教信者の私からすると、ゲイカップルが手を繋いで道端を歩いているのはとても見ていられない。吐き気がする。禁止してくれ」

 

これは禁止する理由になるでしょうか?リベラルなディベーターからすると「いや、その恐怖や嫌悪感は差別に基づくものから来ている。その感情は社会が受け入れるべき正当な理由ではない」ということになります。なので、Oppで感情をイラストして、それをbanの理由にする場合はそれが差別感情に基づいてないか?というのを注意してください。

 

ちなみにこれは天下のwill jonesが以下のラウンドで使ったものですね。

 

Debate - WUDC - No Pictures of Mohammed - Colgate 2012 Round 4 on Vimeo

 

Closingがとても良いスピーチをしているので、是非聞いてみてください。

特にMOのben woolgerのburdenの処理の仕方は日本人でも真似できると思うので、是非参考にしてみてちょ。

 

で、これが多くの枠組みの一つです。

もう一つは、「じゃあホームレスどかしたらどうするの?」っていうのも一つの争点になるでしょう。

よくディベートで発生する良くない考えが
「何かする」→「何かしない」になった!だから良い!という発想です。今回でいうと「ホームレスがいる」→「ホームレスがいない」になったから素晴らしい!っていう発想です。これの何がダメかっていうと、今回で言えば、いや確かに公園からホームレスは消えましたよ?でもそのホームレスどうするの?人間が消えるわけじゃないんだし。っていうのに答えてないんですよ。居場所を奪った結果ホームレスが病んで自殺しちゃったら結構なハームですよね。なので、みんなにやってほしい正しい考え方は
「何かする」→「別の何かをする」っていう考え方です。「ホームレスする」→「別のことをする」っていうことです。
マリファナ吸う」→「マリファナ吸わない」じゃなくて
マリファナ吸う」→「マリファナじゃない何かをする」。これのcompariを証明するのが大事です。このcompariが必ずしも勝てるcompariとは限りませんが、正しいcompariを認識するのが大事です。

この考え方ができるようになると勝率超上がるから。みんな是非練習してみて。とりあえずはban系のモーションで考えてみて。

 

で、これを考えるにあたっては、Oppはpubic spaceからホームレスをどかすだけじゃなくて、その違う人生を考えないといけません。すると、その人々が歩み出す違う人生を考えるには、「ホームレスになる人って、何を考えてたの?そもそもなんでホームレスになったの?」っていうのを考えるのが大事になります。いわゆるwording分析ですが、それはここでも大事ですね。

これについては俺が書くよりも
http://www.homedoor.org/problem
(ホームレス 問題 とかでググったら大量に出てくる)
とかのページを見た方が早いでしょう。絶対一回読んで!見た感じこのページはとてもリサーチ用によくできてる!

 

ホームレス問題の解決には、対処療法より積極的な対策が効果的!? : BIG ISSUE ONLINE

あとはこれとかも良いリサーチになると思います。

 

で、Oppのラインとしてはホームレスをそこに寝かせないだけでなく、そもそもホームレスを発生させないというスタンスも考慮に入れていいでしょう。
この場合であったらポリシーとして「無料の公営住宅(public housing)ムッチャ普及させる。仕事が長期間なかった人から優先的に仕事まわす」とかをカンプラ的に打ってもいいでしょう。
ただこのpolicy自体はMutually exclusiveではないので
Govは「いや、そのPolicyはこっちでも取れるし、ホームレスになりたくない人を援助することは同意するけど、なりたい人の権利を侵害する理由はなくない?」っていうクレームがつけれます。まぁこれでまた上記のprincipleの話に戻るんですが。

 

ここまで読むと「いや結局Opp何言うねん」ってなるんですが、まぁ個人的にはOppだるいなって思うんですが、もいっこ言えそうなのが

「public spaceってのは市民全員でownすべきものであり、一人の人々が所有してはいけない。ホームレスがダンボール敷いて、布団持ってきて、そこを事実上自分のものとして所有することは許されない」ってprincipleかな。要は、自分の土地じゃないとこに家を立てることは許されないって話なんですけど。

 

んで、それとは別に、できる限りrealisticなillustができるといいと思います。

以下のようにね!problemを描くうえで。

 

「そもそも両親と上手くいかずに家出して上京してきたとか他界してたり援助が無い状態で金が無くなって生活保護を求めると住所が無いから市営のこの世の終わりみたいなドヤ街に当然相部屋でぶち込まれなきゃいけなくて、門限とか規則とか当然あるしやっぱりそれが嫌で路上行く人結構多いらしい。

一方で貧困ビジネスって言われるホームレスに住居提供して生活保護受けさせて中抜きするビジネスが蔓延ってて悪く言われることが多いけど住環境としてはまだマシでもっと自由でご飯も出るし何よりこういう方法でホームレスが家を得られるみたい

あと初心者ホームレスって布団で暮らそうとするんだけど
やがてダンボールのほうが暖かいことに気づくみたい
そしてまず大体新入りが最初に教わるのがダンボールの入手場所らしいよ」

 

なんだって! 

 

そんな感じかな!

じゃあの。