Chapter.0 その他 - GovernmentでのProblemの考え方
再度、転送です。大会の時期の当時のまんまで若干意味不明かもじゃけど、まぁ読み飛ばしてくれ。
で、今回は「Problemの考え方」について話そうと思います。
題材は、2017年に行われたTitech-cupのGFのモーション
「TH prefers a world where people cannot lie」
を使います。みなさんが、Govに立ったと想定してください。
で、ここで一個練習なんですが、Govだったらどんなsignpostにしますか?以下をそのまんま読んでもいいんですが、きっと自分・パートナーで一回考えてみてから読んだ方が効果が高いかと思います。
5分くらいだべって作ってみるとかでいいんで、あるいは今画面の目の前で適当に3つでっち上げても良いんで、考えてみてください。
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おそらくGovに立った時に「とりあえず、嘘が良くないっていうのをきちんとイラストして、嘘をつくよりも良い!って言おう」と考える人がいると思います。sign postは
(1)なぜ嘘があることによってharmが起きるか
(2)なぜ嘘がなくなるとbeneficialか
(3)嘘をつくことのlegitimacyのなさ
みたいな考えが起きると思います。
これは、考えの一個としては大事ですがディベートの最初で考えることとしては間違ってます。この発想とsign postだと負けます。
これがなぜ良くないかというと、これは「Oppに勝つ」という考え方をしてないからです。具体的に述べると、Oppがどういうスタンス、モデルを取ってくるかを考えずに、「嘘を否定すれば勝てる」と仮定してproblemを作るからです。
Oppが「嘘は全部オッケー!」っていうスタンスを取ってくれば「嘘は良くない!」っていうargumentで勝てるでしょう。でも、上手いオポならそのスタンスはとらんでしょう。S.Q.で虚偽が罪に問われうるように、嘘がやばいケースはいくらでもあります。でも、嘘が潤滑油となるように嘘がむしろ人々に幸福をもたらすというケースもあります。
これを踏まえると、このモーションでOppが取りうるスタンスは
「嘘が悪いケースはあるけど、嘘が良いケースもある。」っていうスタンスになります。
モデルとしては「他人に明確に危害を加えるものは現行の法のまま、罰します。それ以外のケースでは許可します。」となるでしょう。
っていうことを踏まえると、上記であげた「嘘は良くない!」っていうproblemをPMで話してもLOに「いや、深刻な奴はこっちでもpunishするよ。でも、良い嘘もあるでしょう?それはなんであっちゃいけないの?」って言われてしまいます。完全にDPMが後手に回りますよね。
なので、これを回避してOppに勝つためには、GovのモデルとOppのモデルの比較をして、どこが違うの?っていう差異を考えないといけません。
Gov:そもそも誰も嘘をつかなくなる。No嘘。
Opp:やばい嘘は法律でpunishする。それ以外の嘘が良いと思われるケースはおk。
良いと思われる嘘の例を一つあげると
「テキサス州の保守的なキリスト教の家庭で、娘が自分自身がレズビアンであることに気づいた。親に正直に打ち明けると親は果てし無くショックを受けるし、それについて日々責められることになる。それなら自分が異性愛者であると嘘をついていた方がharmを避けられる」
「医者が、自分の受け持つ患者がガンを持っていることに気づいた。黙っていた方が患者の精神状態に良い」
などです。
下の医者のやつは、よくある
THW allow doctor to lie to patients about their condition
です。これは実際にGFで使われたexampleですね。
なので、今回のGovのproblemの立て方は
「なぜ良いと思われる嘘でも、世の中に存在すべきではないのか。」っていうことになるでしょう。
じゃあ、Govは自分たちに都合の良いexample(浮気を黙っていたとか、人を嘘で陥れて金を巻き上げる)を使ってはいけないのか?これはそうではありません。これは再びGovとOppのモデルの違いを考えるとわかります。
Govはそもそも誰も嘘をつかない世界を想定するので、誰も法律で裁かれません。それに対してOppはあくまでlaw enforcementなので、実際に刑務所のお世話になる人はいます。
もちろんOppの方で裁くことは可能なのですが、これでharmがなくなるわけではありません。裁判にはお金がかかるし、個人の生活をかなり束縛するし、心理的に辛いし、お金が返ってきても浮気されてできた心の傷は癒えません。裁判はあくまでirreversibleなharmがおきた後の事後対処なんですよ。
それを踏まえるともう一つのGovの話は
「何故嘘の事後対処では不十分で、precautionary principleが大事か」っていうことになります。(precautionary principleは良く環境モーションで使う考えでここで適切かは知らんけど、まぁ載せてみた。事前に予防するのが大事だよねって話です。)
これにはディベートで大事な二個の考え方が入ってます。
一つは「相手の言ってくることを踏まえてproblemを作る」って発想です。相手の反論(裁判で対処するから大丈夫!)を織り込んでポイントを作るってことですね。
もう一つは「全てのケースを踏まえてポイントを作る」ってことです。
どういう意味かっていうと、基本的にbanとかallowってのは(definitionにもよりますが)「全部ban」ってケースが多いです。ってことは自分たちに都合の良いexampleの話だけをするのではなく、「なぜ全てのケースにおいてlieを禁止して、ないようにしなければならないのか」っていうことです。言い換えればなぜ自分たちに都合の悪いexampleも含めて、「全て」banしなければいけないのかということです。
実際には上記のこと
(1)モデルの比較
(2)相手の言ってくることを踏まえる
(3)全てのケースを踏まえる
って、本質的には同じことを言ってるんですけどね。まぁ複数の考え方を頭に入れといてください。で、慣れてない人は「この考え方はとりあえずわかるし、練習でとりあえず取り入れられそう」ってやつを選んでください。自分が使いやすい考え方を使ってください。
実際にこれができるようになるには経験や知識も必要なのは事実なんですが笑
この考え方を持ってproblemを考える癖をつけるかどうかで成長具合がグッと変わります。ぜひ毎回の練習でやってみてね!
後、この年のtitechで個人的にオススメの練習モーションは
THW ban the private ownership of car/vehicles
(privateって所に注目してね。)
THW grant the indigenous communities within rural areas of development scheme the right to veto those subjects.
(この手のindigenous communityに特権を与えるモーションは良くでます。)
と上記に説明した嘘モーションです!
じゃあの。